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Home Delivery

Home Delivery

MoMAの隣に住宅が出現。工業化住宅の歴史と現在を検証する。

08 7/10 UPDATE

ニューヨーク近代美術館の西側に家が5軒、建てられる。展覧会「ホーム・デリバリー」の関連展示だ。「工業化住宅」(プレハブ住宅)、工場で部品を作って現場で組み立てる住宅の歴史をたどる展覧会である。工業化住宅については20世紀半ばにジャン・プルーヴェの住宅や「ケース・スタディ・ハウス」でさまざまな実験が行われていたが、その後下火になっていた。工業化住宅が再び注目を集めるようになったのは最近のこと。ますます深刻になる環境問題や人口爆発に対する有効な手段だと認識されたのだ。

5軒の住宅を建てているのはMoMAのキュレーターたちが選んだ5組の建築家たち。アメリカ東海岸を拠点にしているキーラン・ティンバーレイク・アーキテクツはスチールのフレームにガラス窓をはめ込んで作る「セロハン・ハウス」を建設した。部材は溶接したりしていないので簡単に組み立て・再利用ができる。オーストリアの建築家、オスカー・レオ・カウフマン&アルバート・ルフの「システム3」は、輸送用コンテナにぴったり入るようになっているユニット住宅。どこにでも運べて、縦に積むこともできる、簡素でエレガントな家だ。このほか、ハリケーン・カトリーナの被災者のための家や、ヘリコプターで運搬できる家などが建てられている。

展示室では180年に及ぶ工業化住宅の歴史から80以上のプロジェクトがフィルム、模型、ドローイング、写真などで紹介される。登場するのはフランク・ロイド・ライト、リチャード・ロジャース、マルセル・ブロイヤーなど。60年代のイギリスでアヴァンギャルドな建築を提案し、「建築界のビートルズ」と呼ばれたアーキグラムの「プラグイン・シティ」、彼らとも交流のあった黒川紀章の「中銀カプセルタワー」も。建築の新たな可能性が見えてくる。

Text:Naoko Aono

Home Delivery

7月20日~10月20日
10:30~17:30(金~20:00)
火休
一般20ドル

[問] ニューヨーク近代美術館
11 West 53 Street, NY
Tel : (212) 708-9400

http://www.moma.org/

1Cellophane House, as designed for MoMA's Home Delivery exhibition.
Kieran Timberlake Architects.
Front view.
© 2008 Kieran Timberlake Architects.

2System 3 House, as designed for MoMA's Home Delivery exhibition.
Oskar Leo Kaufmann and Albert Rüf.
Front view.
© 2008 Oskar Leo Kaufmann and Albert Rüf.

3Richard and Su Rogers
Zip Up Enclosures No. 1 and 2, 1968-71
Model
Image credit: On behalf of Rogers Stirk Harbour + Partners

4Charles and Ray Eames
Case Study House No. 8, 1949
Exterior view
Image credit: 2008 Eames Office LLC
http://www.eamesoffice.com/