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あらゆる人々がトレンドを追い、ときにそれに流されていく中で自らのクリエイションを貫くのは容易なことではない。とくにファッションというジャンルではなおさらだ。ヴィヴィアン・ウエストウッドは30年以上にわたって独自の創造を追い求めてきた、数少ない才能の持ち主である。『The Vivienne Westwood Opus』は20×24インチ（50×60センチ）という超大型ポラロイドによる作品集。ヨーロッパには1台しかない珍しいカメラだ。

もちろん、ポラロイドだからもとになる写真は1枚しか存在しない。それを印刷した作品集はサイズが90×64センチ、重さは25キロという重量級。全世界で900冊しか印刷されないという、これもまた貴重なものになる。登場するのはナオミ・キャンベルやケイト・モスらヴィヴィアン・ウエストウッドのクリエイションをリスペクトする知人や家族たち。それぞれに個性的な着こなしやポーズがヴィヴィアン・ウエストウッドの服作りにかける情熱や哲学をあぶり出す。いずれも彼女のマニフェスト「Active Resistance to Propaganda」（すべての知識人がプロパガンダに対して立ち上がること、そしてそれを勇気づけるもの）に基づくコレクションを反映したものだ。

この作品集の刊行を記念して、2月にロンドンで開かれた展覧会は大きな反響を呼んだ。その展覧会が7月に東京でも見られる。『The Vivienne Westwood Opus』が展示されるほか、2年の歳月をかけてヨーロッパで撮影した写真から30点あまりを厳選。作品集のメイキングや最新コレクションの映像も。会場は4月にオープンしたカフェギャラリー。クールなインテリアとヴィヴィアン・ウエストウッドのポジティブなパワーが楽しめる。

Text:Naoko Aono