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FRIEZE ART FAIR

FRIEZE ART FAIR

アート・マーケットの今後を占う、
フリーズ・アート・フェア。

08 10/09 UPDATE

2003年から始まり、今年で第6回目を迎える「フリーズ・アート・フェア」。イギリスのアート雑誌「フリーズ」の編集者、マシュー・ストローバーとアマンダ・シャープが始めた現代美術の見本市だ。40年近い歴史を持つ「アート・バーゼル」などに比べると圧倒的に"若い"イベントであるにもかかわらず、アート界では大きな存在感を示すものに成長している。売り上げも2006年以降は正確に計算できない、という理由で公表されていないが、少なくとも数十億円にのぼるものと推測されている。

会場はロンドンのリージェンツ・パークに建てられる仮設の建物。これまでデヴィッド・アジェイなどが手がけてきたが、今年はカルソ・セント・ジョンが選ばれた。「ノッティンガム現代美術センター増築」コンペの優勝などで注目を集める建築家だ。そこに出展するのは世界中の150のギャラリー。約450の応募から審査を経て選ばれたギャラリーである。クオリティは保証つき、というわけだ。日本からはタカ・イシイギャラリーと小山登美夫ギャラリーが参加。また、今回から新たにマジカル・アートルームがセレクトされている。期間中はオノ・ヨーコやカールステン・ヘラーのトークなども行われて、現代美術を多角的に楽しめる。

イギリス以外の国で活躍する若手アーティストに贈られる「カルティエ賞」はキューバ出身、バルセロナ在住のウィルフレッド・プリートに決定した。コンセプチュアルな作品で注目の作家だ。彼は今年のフリーズ・アート・フェア会場でサイト・スペシフィックな新作を披露する。無料で入場できる「スカルプチャー・パーク」は、今年は規模が2倍になる。ウーゴ・ロンディノーネ、エルネスト・ネトなど、若手とベテランが入り交じった豪華な顔ぶれだ。

ロンドンでは9月にサザビーズでダミアン・ハースト作品のみのオークションが開催され、総売上200億円以上という記録が出た。数年前からのアート・バブルも極まった感があるが、同時発生したウォール・ストリート・クラッシュも含めてどのギャラリーがどれだけ売り上げるのか、アート・ピープルのウォッチングは続く。

Text:Naoko Aono

FRIEZE ART FAIR

10月16日〜19日
Regent's Park, London
11時〜19時(19日は〜18日)
入場料 1日券 16日、17日 20£、
18日、19日 25£ 
4日券 60£

http://www.friezeartfair.com/

1奈良美智 2008年
2レナータ・ルーカス 2008年
3ウヴェ・ヘネケン 2008年
4ルイス・ゼルビニ 2008年