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Nowhere but Sajima/直島銭湯「I❤湯」/ヴィラ・チムニー

Nowhere but Sajima/直島銭湯「I❤湯」/ヴィラ・チムニー

スペシャルな体験ができる
アートなホテル&スパへ。

09 8/10 UPDATE

旅先での体験はどんなものでも特別だけれど、そこにアートのスパイスがあればもっと楽しくなる。そこでしか味わえないものがあるスペシャルなロケーションを紹介しよう。

三浦半島の付け根、海の目の前に作られた「Nowhere but Sajima」は1週間単位で借りられるウィークステイのヴィラ。リビング、ダイニングキッチン、バスルームにベッドルームが二つある3階建てだ。

設計は建築家の吉村靖孝。海側から見ると四角形やアーチ、三角屋根のような形など、ランダムにあけられたような窓が楽しい。窓の中には奥行きの深い部屋が並ぶ。海に面した窓際に立つと目の前に海が広がり、そのまま飛び込んで泳げるような気持ちになる。外からは、窓際は見えるけれど部屋の奥の様子はわからない。奥行きを深くすることで眺望優先からプライバシー優先のエリアへ、グラデーション状にバランスをとる工夫だ。青いタイルや木、石など、部屋によって異なる床の仕上げもおもしろい。

安藤忠雄設計の美術館や古い民家を改修したアートスポットで人気の直島には、大竹伸朗が作った「直島銭湯『I❤湯(アイラヴユ)』」がオープン。ちょっと間違ったパラダイス的な外観はまぎれもなく大竹伸朗の世界だ。船底、秘宝館に陳列されていた奇天烈なオブジェ、松の木など日本中からありとあらゆるがらくたが招集され、空間を埋め尽くす。肝心の風呂には大竹が初めて挑戦した絵付けタイルが。のんびりした島の空気をいい意味で吹き飛ばす銭湯で手足をのばせば、その夜はきっと極彩色の夢が見られるはず。

バカンスはフランスで、という予定のある人はモンサンミッシェルから1時間ほどの町、ナントへぜひ。赤と白のストライプがかわいい煙突の上にちょこんと載ったおうちはアーティスト、西野達が作ったホテルなのだ。ロワール川のほとりに建っていて、豊かな自然が360度見渡せる。赤白煙突は近くにあるフランス最大級の火力発電所にちなんだものだけれど、普通ならありえない光景につい笑いがこみあげる。このホテル「ヴィラ・チムニー」がある煙突の高さは約15メートル、ちゃんとバスルームもついている。陽がさんさんと降るテラスでお茶を、というのも一興だ。

旅から帰ってからも夢のような時間を思い出して何倍にも楽しめる。アートな空間が同じように流れる時間をひときわ濃いものにしてくれる。

Text:Naoko Aono

1Nowhere but Sajima
神奈川県横須賀市佐島3-10-8
金曜〜翌木曜のウィークステイ
ペット同伴可能(犬1匹まで)
予約は下記へ。
http://www.nowhereresort.com/sajima.html

2直島銭湯「I❤湯(アイラヴユ)」
香川県香川郡直島町2252-2
月休(祝日の場合翌火曜休) 料金500円
http://www.naoshimasento.jp/

3ヴィラ・チムニー
Bouée/Cordemais/GPS: 47°16.894'/-1°53.785'
一泊70ユーロ
tel. +33 (0) 2 40 75 75 07
http://www.nantes.fr/culture/actualites-culturelles/2009/estuaire-2009-nantes-saint-nazaire/tatzu-nishi.html

Nowhere but Sajima
設計:吉村靖孝

ヴィラ・チムニー
アート:西野達

直島銭湯「I❤湯」
アート:大竹伸朗
デザイン:大竹伸朗/graf
設計:大竹伸朗/graf