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写真家ピーター・サザーランドが、都内2カ所のギャラリー（ROCKETとGALLERY TARGET）で個展を開催する。ROCKETでは、最新作品集『TOKYO NATURAL FANTASY』（ROCKET BOOKS刊）から選出した作品を、GALLERY TARGETでは最近訪れた南アフリカやウガンダ、コロラドで撮影した作品を展示する。共通しているのは、ピーターにとって、ともに"訪れた土地"であること。

「ここ数年、僕はアメリカを中心とした欧米文化圏で撮影してきました。そこは僕が違和感を覚えないという点で居心地のいい場所ですが、そうではないエリアで撮影するのが今回の試み」（ピーター・サザーランド）。そう作家が語る通り、今回の作品で彼は、既存の街並を新たな視点で再編集してみせた。しかも、異国情緒あふれる美しい風景だけを写したような旅行写真とは一線を画す形で。

元来、ピーター・サザーランドは説得力のある一枚を提示するのではなく、複数枚の写真を連ねて物語をつづる写真家。その物語は必ずしも見た人全員に共通するものでなくてもいい。「見た人それぞれが自分のストーリーを作ってくれれば最高」との言葉通り、一枚一枚の写真に意味を見出した後、すべてに通じる自分だけの大きな物語を見つけてほしい。

Text:Takeshi Kudo (Rocket Company*/RCKT)