10 9/28 UPDATE
8月に開幕した「あいちトリエンナーレ2010」。アートだけでなく、演劇やダンスなどパフォーミング・アーツのプログラムが充実しているのが特徴だ。
9月24日〜26日には岡田利規率いるチェルフィッチュの新作「わたしたちは無傷な別人である」を上演。チェルフィッチュの特徴である「ダラダラした若者言葉とノイジーな身体」という方法論からやや離れて、新たな表現を模索する。
10月22日〜24日には矢内原美邦らのニブロールの「THIS IS WEATHER NEWS」公演が。「天気予報」をテーマに、これまでの価値観が揺らぐ時代に生きる人間の姿を表現する。
10月26日〜28日はベルギーを代表するコンテンポラリー・ダンスカンパニー、ローザスの「ローザス・ダンス・ローザス」を上演(前売りチケットは完売)。83年に結成されたローザスのデビュー作だ。人の体が表現できるものの全く新しい形を提示、衝撃を与えた。今も人気の高い作品を今回はあいちトリエンナーレでのみ、発表する。この他、まちなかで行われるパフォーマンスも。街全体が劇場になったような興奮が味わえる。
もちろんアート作品も見逃せない。愛知芸術文化センター、名古屋市美術館、長者町会場、納屋町会場の4つの会場をメインに、街中でも展示される。
オープニング時と9月上旬に展示された西野達の「転がる愛知」は、直径11メートルのLEDサインが地上40メートルの高さで光り輝くという作品。10月23日、24日、30日、31日の夜間にも展示される。歩く人の頭上に楕円形の池がある「オアシス21」では、その池に草間彌生の作品が浮かんでいる。ピンクの地に黒い水玉のオブジェが浮かぶ光景はちょっと非現実的だ。愛知芸術文化センター前に展示されていた水玉模様のプリウスも草間彌生の「作品」。愛知芸術文化センターと長者町会場を結ぶシャトルカーとしても使われる。
この他、参加アーティストは国内外から全131組。ホワイトキューブはもちろん、街へと侵出して風景を変える。あいちトリエンナーレの作品以外にも、ボーリング場だった建物をギャラリーにした納屋町会場近くの堀川で再開発が進むなど、街自体も変化している。これまでの名古屋を知っている人も知らない人も楽しめるイベントだ。
Text:Naoko Aono
「あいちトリエンナーレ2010」
10月31日まで
愛知芸術文化センターほか
国際美術展 1800円 その他パフォーミング・アーツには別途入場料が必要
http://aichitriennale.jp/
マーク・ボスヴィック《kiss'in lemon's》
2005 Courtesy of the artist and GALLERY SIDE 2
コラージュやインスタレーションでビルの屋内にユニークな空間を作り出す(長者町会場)
ルシア・コッホ「小さな陰、2010夏」
© lucia koch-sombrinha-summer 2010
店先や日よけ、傘などに色彩豊かなグラデーションのパターンを施す。傘は販売もしている(長者町会場)。
草間彌生「命の足跡」2010
オアシス21で展示。