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ベッティナ ランス写真展

ベッティナ ランス写真展

強い視線に欲望が絡みつく、ベッティナ・ランスの写真。

11 4/06 UPDATE

モデル、アートディーラー、ジャーナリストなどをしていたベッティナ・ランスがカメラを手にしたのは20代半ばの時のこと。作家のセルジュ・ブラムリーが与えたものだった。そのときに「何が撮りたい?」と聞かれた彼女は「女性のヌードが撮りたい」と言ったという。それから30年あまり、今ではフランスを代表する写真家となった彼女の個展が東京の2つの会場で開かれている。

被写体となっているのはケイト・モス、マドンナ、アンジェリーナ・ジョリーら音楽や映画、ファッションの世界でそれぞれ独特の存在感を放つ女性たち。東京都写真美術館「MADE IN PARADISE」で展示されている写真では、ベッドやバスタブ、花などの小道具に囲まれて、それまで見たことのないような表情を見せる。ベッティナ・ランスは女性だけれど、男性が女性のプライベートな部屋をのぞき見ているような、ねじれた欲望が見え隠れするのだ。

シャネル・ネクサス・ホール「Heroines」で展示されるのは2005年に撮影された23枚のポートレイト。リメイクされたオートクチュールのヴィンテージドレスを身にまとい、石の台座のみを背景にモデルたちがポーズをとる。ベッティナは彼女たちに石を使って何かを想像するよう、リクエストした。ときにドレスは破れ、皮膚は塗料のようなもので汚される。冷たい石の上で自らの運命にあらがうような女性たちの姿が、強烈なオーラを放つ。

展示作品は1.2メートル四方、または1.2×1.5メートルという超大判サイズにプリントされる。女性たちの強い視線がつきささる、甘美な体験が待っている。

text:Naoko Aono

ベッティナ ランス写真展「MADE IN PARADISE 女神たちの楽園」
開催中〜5月15日

東京都写真美術館
東京都目黒区三田1−13−3
tel. 03-3280-0099
10時〜17時
(最新の情報は美術館までお問い合わせください)
月休(5月2日は開館)
入場料 900円
http://www.syabi.com/

「Héroïnes」ベッティナ ランス写真展
開催中〜4月24日

シャネル・ネクサス・ホール
東京都中央区銀座3−5−3 シャネル銀座ビルディング4階
tel. 03-3779-4001
10時〜18時(最新の情報はお問い合わせください)
会期中無休
入場無料
http://www.chanel-ginza.com/

1道端ジェシカ(モデル)
ポートレイト 2007
2ナオミ・キャンベル(モデル)
ポートレイト 1999
3ミラ・ジョヴォヴィッチ(女優・モデル)
エチュード 2005

©Bettina Rheims