12 11/06 UPDATE
センセーショナルなデビューを経て、近年では写真家に留まらず多彩な分野で活動を続けるヒロミックスの展覧会『天使好きに捧げる環境天使/世界中が赤ちゃんがえり危機、その対策と解決法』が、10月27日(土)よりhiromiyoshii roppongiにて開催されている。
人間は地球という同じ住まいを共有しながら、言語や宗教という様々な差異を持ち続け、時にそれは争いの引き金になる。しかし、そんな大きな隔たりをもつこの世界で、西洋や中東の文化に登場する天使たち。今回の個展で、ヒロミックスはそんな天使のイメージを、まるで誰かに描かされているように可視化させている。彼女の想い描く天使は、この混沌とした世界に光を照らす、優しく暖かい瞬きを纏っている。ヒロミックスにとって天使というイメージは、世界が暮らしやすくなることへの希望、そして純粋なものの象徴として捉えることができる。その無垢で可憐なイメージは、この混沌とした世界で少しの癒しとなるのかもしれない。
――ヒロミックス本人解説――
「世界中が赤ちゃんがえり危機」について。
世の中の変化が激しい中、自己流に分析をしていたら現代社会に必要なメッセージが降って来たので文章で伝えます。
「天使好きに捧げる環境天使」についての解説。
大震災きっかけ、というよりはその前から再び取り組まなければならないなと考えていた環境問題を久しぶりに大量に調べていたら、ちゃんと取り組んでいる地域はキリスト教圏であった。このことから今回、天使が登場したのかもしれません。単純に可愛い感じだし。描かされている感じでした。
環境問題については学生の頃授業で習ってから注目し始め、写真家としてデビューしてからも度々インタビューなどで発言していましたが、1995年当時は同じ考えの人を探すのが大変だったし、邪魔に思う人達も居た為にあまり発言しなくなった。次第に大学も環境学科を設け始めたりと一般的になり、特に大
震災を期に、皆がすごく大切な問題だと考えるようになりました。
環境破壊をしている地域もキリスト教なんだけど、微妙に人や社会の雰囲気が違う。そしてイスラムにも天使が登場するみたいです。天使は宇宙人説というのもありますから、多分良い宇宙人が、これから地球環境を、よりよく整えていく必要があるのだと伝える為に登場したのだと思います。
私は無宗教だし、色々な人種の友人や知人はそれぞれ違う宗教や価値観だからどれかひとつをひいきには出来ない。なるべく平等に接する。とはいえ、相手は同じグループじゃないと受け付けない場合が多そうだし、それがちょっと面倒いなと思い始めている。
個人的には神社仏閣に馴染みがありますが、本当のところ、ガーリー好きな人はガーリー教でいい思います。ちょっとまた別次元に位置する。または、未だに宗教画と美術が強く関係ある世の中なので、自然と出てきた。でも私自身の意識はもう少し違うところにいる。どこでもないという感じです。昔の絵画は人間以外のもの、架空の生き物もたくさん出てきた。美し過ぎたり、怖かったりするんだけど、人間と共存しているので、それをもっとあらわすべき。
昔の絵画で天使がよく出てくるけど、新しい絵ではなかなか出てこないので登場させてみた。本来なら好きなものを描くべきなのに、世の中の影響で天使が出てきてしまった。天使を見たい人がいるから、私が媒体となって見せることでお役に立っているなら良いですが、意識としては、宗教画と全く関係ないところにいる。つまり、物事を分けない。人間は人間、皆で協力しあおうという風に、いつも思っている。
text: Akihiro Hayashi
ヒロミックス『天使好きへ捧げる環境天使/世界中が赤ちゃんがえり危機、その対策と解決法』
HIROMIX『ECOLOGY ANGELS FOR YOU/
PERHAPS, SOON BABY RETURN CRISIS HAPPENS IN THIS WORLD..HOW TO TREAT AND SOLUTION』
会期:10月27日(土)~12月8日(土)※好評につき、会期延長となりました。
13:00~19:00 日月祝休廊
会場:hiromiyoshii roppongi(六本木)
港区六本木5-9-20
tel: 03-5772-5233