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カッターと紙を用いる点ではまさしく「切り絵」ながら、切り絵に対する従来の概念を覆すような作品を多数発表してきた尾関幹人。個展をはじめ、"TOWA TEI presents MBE"などの国内外のグループ展で活動しており、 昨年開催された個展"PHYSICAL"では過去作を振り返りつつ「紙を切る」技法を模索し、新境地を切り拓いた。

現在、六本木・CLEAR EDITION & GALLERYにて尾関の新作展"MENTAL"が開催中だ。タイトル通り、本展には過去作と比べると、より抽象性の高い作品が展示されている。ちょっとした反復動作を引き金に自己の内面に引き込まれてしまうことが誰にでもあるように、「（繰り返し）切る」という行為には、尾関の精神的な揺らぎや移ろいが一カットごとに反映されている。そのような日々の蓄積によって姿を現した作品は、まさに精神が具現化されたものだと呼ぶことができるだろう。

text: Misho Matsue