honeyee.com｜Web Magazine「ハニカム」

信藤三雄の初の写真展が、5月30日(日)からギャラリーALで開催。写真家として25年間に撮影したアーカイヴから約220点を公開する。アートディレクター、グラッフィクデザイナーとしてあまりに影響力が大きい彼の"写真家"の一面にフォーカスした展示となっている。

1980年代後半から1990年代にかけて、ピチカート・ファイヴ、フリッパーズ・ギターの「渋谷系」ミュージシャンのCDやレコード、宣材ビジュアルのアートワークを手がけた信藤三雄。その後もSMAPやMISIAなど、多くの日本のミュージシャンやアイドルのビジュアルを制作した。最近では、AKB48の39枚目のシングル「Green Flash」のジャケットが記憶に新しい。

信藤三雄が写真家になったきっかけは1990年、フリッパーズ・ギターのアルバム「カメラ・トーク」。アートディレクターとしてパリで撮影を計画したところ、フォトグラファーがスケジュール上参加できなくなり代わりに撮影を行い、写真を撮る楽しさに気づいたという。その後は、仕事の現場で三浦憲治、田島一成、鶴田直樹、荒木経惟から撮影のテクニックを習得し、独自の作風を見いだした。

「アートディレクターというジャンルではなく、写真は写真としてみてもらい」という思いと共に、写真家活動25年目にして「気分は新人です」と宣言するシンドウ。彼の作品の幅広い世界観、時代を象徴するビジュアルをその目で確かめて。

text: Aika Kawada