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オスカー・ニーマイヤー展 ブラジルの世界遺産をつくった男

オスカー・ニーマイヤー展 ブラジルの世界遺産をつくった男

独特の曲線を持つ建築の秘密を探る

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大きなUFOが着陸したような「ニテロイ現代美術館」。シンボリックな建物が次々と現れる首都ブラジリア。薄い屋根の下で内部と外部の緑がそのままつながる「カノアスの邸宅」。建築家、オスカー・ニーマイヤーは104年という長い生涯の間に多くの建築を残した。その巨匠の、日本の美術館では初めての回顧展が東京で開かれる。

リオデジャネイロ国立芸術大学建築学科で学んだニーマイヤーは師、ルシオ・コスタと共同で事務所を設立。「サン・フランシスコ・デ・アシス教会」があるパンプーリャ・コンプレックスで建築家としての地位を確立した。その後、ル・コルビュジエとニューヨーク国連本部ビルの設計に携わる。新首都ブラジリア建設プロジェクトでは計画コンペを編成し、「ブラジリア大聖堂」など主要な建物を手がけた。60年代ブラジルの軍事政権下ではパリに移って活動。85年に帰国してからも多くの建築を設計している。

ニーマイヤーの建築を特徴づける有機的な曲線について、彼が女性の体のラインに言及していたのは有名だ。一方でニーマイヤーは「新しい技術が開く可能性から生まれるカーブや、古いバロック建築の教会を思わせる曲線に惹かれる」とも語っている。彼の建築のほとんどはフリーハンドのドローイングから設計が始まった。さまざまな要素が溶け合って、親密さとスケール感とが同居する魅惑的なラインが生まれる。

会場ではほぼ年代順にニーマイヤーの代表作が紹介される。ホンマタカシ、イワン・バーンらの写真はニーマイヤー建築の知られざる顔を見せてくれる。ニーマイヤーが幼いころから得意としていたドローイングの中には、ブラジル国外で初めて展示されるものも。ニーマイヤーをリスペクトしている建築家、SANAA(妹島和世+西沢立衛)の会場構成も注目だ。

text: Naoko Aono

『オスカー・ニーマイヤー展 ブラジルの世界遺産をつくった男』
会期: 7月18日〜10月12日
会場: 東京都現代美術館
東京都江東区三好4-1-1
TEL: 03-5777-8600(ハローダイヤル)
10:00〜18:00(9月までの金は〜21:00)
月曜休
一般1100円
http://www.mot-art-museum.jp


1オスカー・ニーマイヤー《カノアスの邸宅》
photo: Takashi Homma 2002年
2オスカー・ニーマイヤー《ニテロイ現代美術館》
photo: Leonardo Finotti
3オスカー・ニーマイヤー《ニテロイ現代美術館》
photo: Takashi Homma 2002年
4オスカー・ニーマイヤー《ブラジリア大聖堂》
photo: Leonardo Finotti