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ぱっと見ると一瞬普通に見えるけれど、よく見るとちょっとどきっとするビジュアル。アートディレクター、吉田ユニの作品は妖しい仕掛けに満ちている。綿密な計算に基づいたデザインが、強い吸引力で見るものを釘付けにする。
吉田は1980年生まれ、女子美術大学を卒業後、大貫デザイン、宇宙カントリーを経て2007年に独立した。独立後すぐに手がけた香港のファッションブランド「b+ab」の広告で女の子の部屋を真下から見上げたようなビジュアルを展開し、注目を集める。その後Chara、木村カエラ、AKB48らのCDジャケットや野田秀樹演出舞台のビジュアル、THEATRE PRODUCTS、ラフォーレ原宿、三越伊勢丹など、多くのクライアントからラブコールを受けている。
吉田ユニの作品は見れば見るほど不思議だ。正面を向いたポートレイトかと思うと片目は顔の半分を覆った手に描かれている。白地に赤のポップな模様がちりばめられたグラフィックは、赤い模様が唇になっていて、その中から女性がこちらを見つめる。本棚にぎっしり並んだ本の背表紙が女性の顔になっている。吉田ユニはかつての師、大貫卓也がつけたもの。「ユニーク」からとったものなのだそう。他に類のない、独特な、という意味の名前こそ彼女にふさわしい。
会場では彼女がこれまで手がけたグラフィックやラフスケッチ、メイキングフォトなどを独自の空間構成で紹介。西日本では初めての個展で、彼女のクリエイティブの源泉に迫る。
text: Naoko Aono
「吉田ユニ展 "IMAGINATOMY"」
会期:2015年9月5日〜10月4日
会場:三菱地所アルティアム
福岡市中央区天神1-7-11 イムズ8F
tel: 092-733-2050
10:00〜20:00
会期中無休
一般400円
http://artium.jp
IMAGINATOMY
Shibuya Hikarie Magazine / Kiko Mizuhara / 2013
SOEN / 75 years of girls / 2011