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今年、創立25周年を迎えるUNDERCOVER。1994年秋冬で東京コレクションデビュー、2003年春夏以降パリ・コレクションで発表を続けている。「LABYRINTH OF UNDERCOVER」はその25年の活動を振り返る展覧会。コレクションアーカイヴのほか、ショー映像、ドール、絵画などで高橋盾の迷路（LABYRINTH）のような世界を映し出す。

高橋盾がUNDERCOVERを立ち上げたのは1990年、まだ文化服装学院アパレルデザイン科に在籍していたときだった。東京のストリート感覚を鮮やかに切り取り、鋭い感性でファッションに落とし込んだ彼の作品は、いわゆる裏原系として熱狂的なブームを巻き起こす。2003年にパリ・コレクションに参加してからは世界的なブランドへと成長を遂げている。

ファッションだけでなく写真、映像、ドールなど幅広いクリエイションを展開しているのもUNDERCOVERの魅力だ。ショーごとにコンセプチュアルな演出がされ、服に込められたデザイナーの意図をさまざまな形で表現する。GRACEと名づけられたドールが登場する写真や、UNDERMANというニューヒーローなど、オリジナルのキャラクターなど、そのどれもが透徹した美意識で貫かれて、ファッションと写真、映像、立体、絵画が有機的な世界を形作る。

この展覧会はUNDERCOVERにとって、美術館で初めてのものになる。広い展示空間に大小さまざまな部屋が作られ、高橋盾の多彩なクリエイションが展開される。観客は展覧会タイトルの「LABYRINTH」のとおり、迷路のようにその部屋をさまよい歩くことになる。芳醇なカオスに満ちたUNDERCOVERの世界をあらゆる感覚で受け止めることになる。

text: Naoko Aono