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どこまでも自由で、ハッピーで、きらきらとした輝きに満ちた風景。ライアン・マッギンレーの写真では陽気で明るい光がはじける。彼は2003年、わずか25歳のとき史上最年少でホイットニー美術館で個展を開催、センセーションを巻き起こした。2012年、小山登美夫ギャラリーで開いた日本初の個展も好評だった。それから4年、さらにスケールアップして日本の美術館では初めての個展が開かれる。
彼の作品に登場するのはほとんどがヌードの若者たちだ。あふれるエネルギーを迸らせて草原を走り、坂を転がり、木から飛び降りる。ときに真冬の雪の中で裸になることも。被写体の大半はライアンが見つけてきた、プロのモデルではない子供たちだ。ライアンは彼らと小旅行に出かけ、音楽をかけたり集団でヌードになったりして非日常的な空間を作り出し、そこでの彼らの振る舞いを切り取る。
ヌードにこだわるのはロマンチックに感じられたから、と彼は言う。彼は子供の頃に見た古典や近代の絵画のような写真を撮ろうとしているのだ。裸になることで社会的な規範やタブーを取り払うという意味もあるだろう。マッギンレーの写真に流れる何ものにも縛られない自由な空気はこんなところから生まれる。
今回の個展では、2000年のデビュー作から2015年の新作まで網羅し、20メートル近くある大型インスタレーション《Yearbook》も展示される。マッギンレー自らがセレクトした写真で、他にはない解放感を味わおう。
text: Naoko Aono
『ライアン・マッギンレー BODY LOUD!』
会期:4月16日〜7月10日
会場:東京オペラシティアートギャラリー
東京都新宿区西新宿3-20-2
tel: 03-5777-8600(ハローダイヤル)
11:00〜19:00(金・土は〜20時)
月曜休(5月2日は開館)
入場料:一般1200円
http://www.operacity.jp/ag/exh187/
《Taylor (Black & Blue)》2012
©Ryan McGinley Courtesy the artist and Tomio Koyama Gallery
《Jacob (Red Blueberry)》2015
©Ryan McGinley Courtesy the artist and Team Gallery, New York
《Jessica & Anne Marie》2012
©Ryan McGinley Courtesy the artist and Tomio Koyama Gallery