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「世界中の面白い植物を文化背景やストーリーとともに紹介する」というコンセプトで開かれ、大盛況だった2015年の「ウルトラ植物博覧会」。地球上のさまざまなところから年間240トンを超える植物を仕入れるプラントハンター、西畠清順の展覧会だ。それから1年、その第二弾がパワーアップして開催される。
西畠清順は1980年生まれ、幕末から150年続く花と植木の卸問屋「花宇」の五代目だ。植物を扱う家に生まれながら大人になるまで植物にも花にも興味がなかったという西畠の転機になったのは、21歳のときに訪れたボルネオでのこと。キナバル山の山奥で「ネペンセス・ラジャ」、和名オオウツボカズラという植物に出会った。長さ30センチほどもある壺状の器官で虫を消化する世界最大の食虫植物だ。このときの「見つけた!」という感動が忘れられず、西畠は見たこともない植物を求めて世界中を旅するようになる。
2012年には植物の魅力をより広く伝えるため「そら植物園」を設立、植物にまつわるコンサルティング事業を始める。以来、「そら植物園」の事務所がある代々木ヴィレッジの植栽やレストラン、ホテルの庭園、47都道府県の桜を集めて咲かせる東日本大震災復興支援プロジェクトなど、植物に対する深い知識とノウハウを活かしたプロジェクトを手がけてきた。
今回の「ウルトラ植物博覧会2016」では陶芸家の内田鋼一とコラボレーションし、西畠が集めてきた植物に内田の器を合わせて展示される。東南アジア、中東、西アフリカなどを旅し、現地でやきもの作りに参加してきた内田の器と、同じく西畠が世界中を飛び回って集めた植物との組み合わせは最強ものになるはずだ。会場構成は「現代における日本の文化創造」をテーマに活動しているSIMPLICITY代表の緒方慎一郎。昨年にも増して、植物が一層にぎやかにしゃべり出しそうな展覧会だ。
text: Naoko Aono
『ウルトラ植物博覧会2016 西畠清順と愉快な植物たち』
会期:8月4日(木)〜9月25日(日)
会場:ポーラ ミュージアム アネックス
東京都中央区銀座1−7−7 ポーラ銀座ビル3F
tel. 03-5777-8600(ハローダイヤル)
11:00〜20:00(入館は19:30まで)
会期中無休
入場無料
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