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「観察と発見」をキーワードに、立花文穂が独自の視点で構成するヴィジュアルブック『球体』の第5弾が発売された。
「ヒロシマのDNAを受け継ぐ若い表現者たち」を取り上げた本号は、立花氏の故郷である「広島」がテーマ。
広島の平和公園を撮影した笹岡啓子(1978年広島生まれ)の"PARK CITY"シリーズや、日常のモノをつかって回路をつなぎ信号で音をつくりだすアーティスト堀尾寛太(1978年広島生まれ)、巨大なキャンバスにモノクロの劇画調のペインティングで活躍する新進気鋭の画家、 後藤靖香(1982年広島生まれ)など、ヒロシマのDNAを受け継いでいる若い表現者たちを中心に構成。また、広島を訪ね独特な語り口で綴る作家、石田千のエッセイや写真家、ホンマタカシの近作となる国内外のキノコを撮影した作品も掲載されている。
文芸誌のような手のひらサイズになった第5弾の表紙は、若手注目彫刻家、中野浩二による首像のシリーズを起用。伊勢克也の震災後のふるさとに帰るときの日記、荒木信雄が原爆ドームについて思うことを語るなど、連載記事も読み応えあり。
ヒロシマという場所に生まれて育ち、今こうしてあたりまえに表現活動をしているという奇跡を表現する若い表現者たち。そのエネルギーを立花氏の視点で切り取った、現在のヒロシマがここにある。
text: honeyee.com
『球体』5 GROUND
定価: 2500円
発行: ヨシモトブックス
[問] 株式会社よしもとクリエイティブ・エージェンシー 出版事業センター
tel: 03-3209-8291
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