10 8/20 UPDATE
ボルボ、のイメージはどちらかといえば"癒し系"。だが、2000年代の初頭からラインナップされるS60というモデルは、ボルボきっての"スポーツ系"だ。そんなS60が今年、2代目へと進化。これをポルトガルのリスボンで試すことができたので報告しよう。
最大の特徴は同社のSUVであるXC60から始まるボルボの新世代デザインをさらに推し進めて採用したこと。写真からも判るように、FFサルーンながらも極めてアグレッシブなクーペ風のエクステリアが先代よりもさらにスポーティな表現で展開される。
一方インテリアもボルボのアイコンになりつつある"センタースタック"(エアコンやオーディオのスイッチが集約されたパネル)を、XC60同様ドライバー側へ傾けて配置するなどドライバーズカーであることを静かに物語らせる細かなこだわりを注入している。
試乗したのは2.0Lの直4直噴ターボ(203ps/30.6kgm)+FFの「2.0T」と、3.0Lの直6ターボ(304ps/44.8kgm)+AWDのT6の2種類。特に印象的なのは2.0Tで、パワー/トルクも十分どころか、むしろ「これがいい!」といえるだけの魅力に溢れていた。その魅力とはエンジンだけでなく、ハンドリングも含めクルマ全体に良い意味でライトな感覚が溢れており、イマドキに相応しい軽快な乗り味走り味を披露したから。
この2.0Lの十分以上に感じる動力性能からすると、日本導入時に用意されるだろうさらにハイパワー版の2.0L直噴ターボはプラスαの動力性能となるだろうし、1.6Lの直噴ターボにもかなり期待できる。
またS60はボルボとしてはかなり「スポーツ」を強調したが、それでもドイツ勢のスポーツとは一線を画す豊かな感触を決して忘れていない。その意味では他にはない味わいを持った新世代ボルボ。このクラスの新たな選択肢として有力なものになるだろう。気になる日本導入は来年の早い段階に実現するという。
Text:Manabu Kawaguchi
価格:価格未定
定員:5名
全長×前幅×全高:4,628mm×1,865mm×1,484mm
ホイールベース:2,776mm
車重:1711kg
駆動方式:FF
最高出力:304ps(224kw)/5600rpm
最大トルク:440Nm
最高速度:250km/h
排気量:2953cc