honeyee.com｜Web Magazine「ハニカム」

本格的なジュエリーを村上の主宰するKaikai Kikiが制作。「DOBくん」「お花」といったオリジナルキャラクターをシリーズ化するのが村上隆作品のひとつの特徴であるわけだが、なかでもコミカルでありつつも、「死」を連想させるシリアスさをこの『DOKURO RING』は携えている。

絵巻によく登場する飢餓地獄の中にひょうきんに転がるドクロ（髑髏）。その眼球の穴の中にお花がにっこり笑っている様はアジア的な輪廻天性を笑い飛ばす、ニヒリズムが見え隠れする。各種フィギュアを含め、プロダクトのクオリティに対し、徹底したこだわりを貫くKaikai Kikiらしく、滑らかなフォルムはもちろん、目のなかの「お花」の造形、さらにその可動部分の設計にいたるまで、妥協を一切排した渾身のプロダクションとなっている。シルバーの他、WG×ダイヤ、YG×ダイヤといったラグジュアリー感を充分に含んだバージョンもある。

アートとファッションの融合という命題にアーティストの側から真っ向挑んだ「本気」のジュエリーであるこのリング、存在それ自体がすでにプレミアムと呼べるだろう。

Photo:Masaki Sato


Text:honeyee.com