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デニムドクターまたはHTCの主催者として、ファッションの世界で広く知られるジップ スティーブンソンの感性が息づくファッションブランド「スティーブンソンオーバーオール」。

2005年のスタートから、1920年代の縫製仕様である一本縫いで仕上げたデニムがヒットし、今季はさらなるスケールアップに向け、様々なアイテムが出揃っている。こちらの2点に限らずいえることは、彼らのコレクションは、素材と付属類を追求することで、クオリティの向上のみならず、雰囲気つくりを徹底している。

例えば、左に並ぶスポーツジャケットは、オリジナルのオンブレチェックのウールの独特の乾いた質感もさることながら、涙目ボタン、胸元のウォルデスのボールチェーンやフロントのフックレスのファスナーなど、アメカジファンをうならす隙のないディテールで整えている。右のダウンベストは、ウールリッチの生地とカーフレザーのコンビで、この手のスタイルのアイテムではめずらしく高級感を演出している。

マニアックな仕様ながらも蘊蓄に走らず、あくまでも服としてのトータルのバランスを求めて製作されるスティーブンソンオーバーオールのアイテムは、繊細さとタフネスが備わっている。

Text:Tsuneyuki Tokano
Photo:Masaki Sato