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既存のファッションブランドと一線を画す、ユニークなアプローチでコレクションを展開する、イギリスのアイター・スロープ。デザイナーは、CPカンパニーやストーン アイランドなどのビジネスにも携わっており、このシグネチャーコレクションではまた違った側面をみせ、徹底的に理想を追求するスタンスをとっている。

彼はこのプロジェクトにおいて、自らも予想だにしなかった完成形を描き出すことを目的としており、そこに至るまでのプロセスを最重視し、膨大な時間と労力を費やし製作を行なっている。先日、パリとロンドンで行なわれたプレゼンテーション『legs』では、新旧の作品を合わせた24のトラウザーズを等身大のスカルプチャーを用いて展示し、話題をさらった。このような手法は、ファッションのカテゴリーとして捉えると奇抜にもみえるが、視点を変えれば、非常にロジカルなアプローチであり、ある種の正当性を持っている。また彼は、通常年2回の発表によるファッションのビジネスのタームにも疑問を感じているため、新しいビジネスモデルの構築にも尽力しているという。

こうした概念やプロセスを経て完成したトラウザーズは、他に類を見ないフォルムを形成しており、テーラリング及びミリタリーウエアの製作の技法やディテールをベースに、サルエルパンツ的なシルエットなどの要素を結合し、試行錯誤の末に導き出したアイディアを見事なまでに具現化している。

なお、エリミネターでは、10/30（金）から、アイター・スロープの最新コレクションの展示がスタートする。『legs』と同じスカルプチャーを用いるプレゼンテーションは、クリエションのコアに触れられる貴重な機会となるはずだ。

text:Tsuneyuki Tokano
photo:Masaki Sato