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クロムハーツといえば、シルバーを中心としたジュエリーの印象が強いが、バイカーであるデザイナーのリチャード・スタークのライフスタイルとより密接しているのがレザーであり、とりわけライダースはその中核を担うアイテムである。

こちらの新作は、ブランドの代表モデルのひとつである「JJ DEAN」を、パターンを中心に改良している。肩周りをコンパクトに調整し、アームホールを細めにするなど、よりシャープなシルエットへと仕上げている。動きやすさを損なわないようにアクションプリーツなどを機能させ、バイクのライディングなどにも対応できる仕様となっている。ディテールは全体的にクラシックなスタイルでまとめており、背面のパネルやファスナーなどがそれに該当する。襟型はよりタイトに閉めれるように修正が加わっている。

また、このライダースを語る上での重要なファクターとして、素材の選定が挙げられる。近年爆発的にヒットしたファッションブランドが手掛けるレザージャケットは、その場限りの美しさを追求したものやインスタントな経年変化を目的に製作されたものが多く、ヴィンテージなどと比較すると、長く着用した場合、味わいや深みに欠けるケースが多々ある。それに対しクロムハーツのレザーは、価格にふさわしい格を備えつつも、あくまで耐久や実用を視野に入れて革を選び抜いている。そのため、使い込めば込むほど魅力的に風合いが増していく、という長所を備えている。

このエイジングにおけるアドバンテージと、コンパクトなパターンでまとめられたライダースジャケットは、次の時代のニーズに適した魅力を掲げ、活性化しつつある新しいマーケットに向けて発信されていく。

photo:Masaki Sato
text:Tsuneyuki Tokano