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2011S/Sのサカイのメンズコレクションの構成要素をあらわすキーワードのひとつが「リバーシブル」。

以前からアパレルリバーシブルの仕様で製作された製品は無数に存在するが、実際に両面ともにファッションとして着れるレベルで衣服をつくることは難しく、必ずといっていいほどシームの処理などの問題がつきまとう。そうした課題点を的確なテクニックでクリアした今季のコレクションは、それまで印象づけてきたイメージとまた違った鮮度を打ち出すことに成功している。

こちらのブルゾンは、表面はコットンラミーのチェックのニット、裏面はポリエステルで、両面ともにしわ加工が施されている。また、表はクラシック、裏はスポーティーと、それぞれ異なるスタイルで構成されていることも、このアイテムの大きな特徴であり、魅力である。

サカイのメンズコレクションは、ニットを得意とするブランドらしく、柔らかい表情が大きな評価を得ているが、その一方で非常に力強い側面を持っている。そのすべての要素があることが女性デザイナーらしさを端的に示していると同時に、クリエイションを印象づける要因となっている。

photo:Masaki Sato
text:Tsuneyuki Tokano