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トッド リンは、カナダ出身でロンドンを拠点に活動する気鋭のデザイナーである。2006年に初のコレクションを発表、翌年にはロンドンコレクションにデビューを果たしている。

スタート当初はメンズウエアのみの展開であったが、今ではレディースも手掛けている。現在はロックスター御用達のブランドとしても知られ、顧客には、コートニー・ラブ、U2（ボノ）、マリリン・マンソン、ザ ローリング ストーンズ（ミック・ジャガーとキース・リチャーズ）らが名を連ねている。

ロックのテイストに加えて、コレクションの要となっているには、サヴィルローで学んだテーラーリングの技術である。これをクラシックな方向ではなく、あくまでモードのフィーリングをつくるために使っているのが、彼のスタイルだといえる。今季2011S/Sでも、この傾向に則したアイテムが多く並んでいる。写真左のレザージャケットは、レディスライクな強いショルダーとシェイプが特徴。かなり細みでよくも悪くも着る人を選ぶシルエットである。一方のレザーパンツは、アンクル丈の立体的な裁断で、裾にファスナーがつくなどディテールも細かい。

デザイナーの主張とトレンドがほどよくミックスされたトッド リンのコレクションは、この時代にふさわしいクリエイションを実践している。

photo:Masaki Sato
text:Tsuneyuki Tokano