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メンズモードのカテゴリーにおいて、この数シーズン、もっとも注目を浴び、圧倒的な人気を博した「バルマン オム(BALMAIN HOMME)」。

2011A/Wを最後に、これまでメゾンの発展に尽力した「クリストフ・デカルナン（Christophe Decarnin）」がデザイナーを退任。今回が最後のコレクションとなった。今季もデカルナンのライフスタイルに基づいた、リアリティに溢れたピースが充実している。

発売前からすでに人気を集めている話題のアイテムの一つがこちらのPコート。鮮やかなネイビーの厚手のウールや、アメリカ軍に供給の実績がある工場に製作を依頼したメタルボタンが、クラシカルな雰囲気をつくり出している一方で、シルエットはモダンかつシャープ。このバランスこそが、オーセンティックなアイテムではまず味わえない、ファッションブランド特有の魅力を打ち出している。コーデュロイのジャケットは、シーズンテーマとなっている「ミリタリー」と「ネイチャー」を端的に表した1着。すでにメゾンの定番的な技法となっているデストロイ加工を施すことで、こなれた雰囲気をつくり出している。

この秋の銀座への直営店の出店や、2012S/Sからはじまる新デザイナー「オリヴィエ・ルスタン（Olivier Rousteing）」によるコレクションなど、話題の尽きないバルマン オム。メンズモードの今後を占うという意味でも、俄然注目に値するメゾンの一角である。

photo:Masaki Sato
text:Tsuneyuki Tokano