11 10/28 UPDATE
「エルダー・ステイツマン(The Elder Statesman)」は、2007年にLAで設立されたファッションブランドである。デザイナーの「グレッグ チェイト(Greg Chait)」は、趣味で収集していた高級ブランドのブランケットに満足できず、自身で商品の開発をはじめ、職人の手作業による紡糸によって、既存の製品ではありえなかったきめ細かく軽量の糸の開発に成功する。コレクションはブランケットからはじまり、いまでは小規模ながらもニット全般に特化したブランドへと成長した。
彼のニットへの造詣は独特で、どのアイテムも極めてユニークな作風となっている。ゆったりとした身幅、アイテムごとの絶妙な着丈の設定、そして緩めに編まれたテンションによって、贅沢なカシミアなどの高級素材をリラックスしながら楽しめる。また紡糸からフィニッシングまで一貫して手作業で行うため、いわゆる「一点モノ」に近い感覚を持っている。
左側のタンクトップは着丈が長く、今風のレイヤードに適しており、カラーと織り目がやわらかさを生み出している。中央のカーディガンは、レギュラーの編みとメランジによる深い味わいがあり、単体ごとに異なるボタンを取り付けている。右側のマリンセーターは、セレクトショップ「マイノリティレッブ(minorityrev)」のエクスクルーシブアイテム。なお、素材は3点ともにカシミアを使用している。
作り手のアイディデンティもさることながら、現在のロサンゼルスのムードを多分に含んだニットウエアは、閉鎖的になりつつあるメンズファッションの市場に新しい息吹を与える、ある種の「開放感」を打ち出している。
photo:Masaki Sato
text:Tsuneyuki Tokano
タンクトップ 39,900円[税込]
カーディガン 107,100円[税込]
セーター 97,650円[税込]
[問] minorityrev
tel: 03-3580-6252
http://www.minorityrev.com/