honeyee.com｜Web Magazine「ハニカム」

いま最も注目すべき気鋭ブランドのひとつ、「ジュリアン デイヴィッド」の代名詞といえば、大判のシルクスカーフ。PC画面に吸い込まれる人々や目隠しされたヌード、巨大なスニーカーやキーボード、BMXなど、ストリートカルチャーや現代のさまざまな社会問題にインスパイアされたユニークなデザインを施したラグジュアリーなシルクスカーフは、次世代のハイエンドを象徴するアイテムだ。

パリ出身のデザイナー、ジュリアン・デイヴィッドは19歳で渡米しパーソンズ美術大学在学中よりナルシソ・ロドリゲスでキャリアをスタート。ラルフ・ローレンへの移籍後は主にウィメンズのテーラードを担当した。2006年より東京へ拠点を移し、翌年に自身の名前を冠したブランドをローンチ。「ジュリアン デイヴィッド」のために特別に織られた日本製のシルクやカシミアなどの上質な素材を用いたコレクションを展開している。

この春夏は、「ビッグクランチ」という概念から着想を得たコレクションを発表。ビッグクランチとは、「ビッグバン」によって始まったとされる宇宙の膨張がストップし収縮に転じ、ビッグバン以前の最小単位に戻った宇宙がやがて終焉を迎えるという理論だ。単純化された低解像度のシンボルや、既成のカタチに潜む狂気やテンション、あるいはその変化やずれをヴィジュアライズした"現代社会におけるビッグクランチ"。シンプルなスタイルを、ウィットに富んだおしゃれに昇華させてくれるジュリアン デイヴィッドのスカーフから、ますます目が離せない。

photo: Masaki Sato

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