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スタイリストやフォトグラファーなど、多角的な視点からファッションを読む熊谷隆志の審美眼から生まれる「ネサーンス（NAISSANCE）」のワードローブは、モダンでありながら永続性があり、見事なまでに時代の空気感とフィットしている。

2013S/Sのコレクションは1960年代に公開された映画『太陽がいっぱい（PLEIN SOLEIL）』からインスピレーションを得て製作が行なわれ、オーセンティックな衣服のディテールを採用しながら、独特の色彩感覚と現代的な仕様でまとめ上げている。その結果、どこか懐かしくも新しく、それでいて非常に合わせやすいアイテムに仕上げている。

なかでも象徴的なアイテムが左端のチェックのジャケットや中央のステンカラーコートであろう。絶妙なアレンジで定番アイテムが鮮度の高いファッションアイテムへと昇華している。同様に、ピンクのニットやホワイトのデニム類は、春らしいカラーを選択する事で初々しいニュアンスが与えられている。

photo: Masaki Sato
text: Tsuneyuki Tokano