honeyee.com｜Web Magazine「ハニカム」

来季2014S/Sでさらなる加速が予想される柄物ブーム。トレンドを飛び越え、レギュラーとして定着しそうな勢いすらある。がしかし、一部のチェックなどを無地感覚で着用できるものを除くと、着こなしの難度は総じて高い。そこで必要となるのが、こなれた風合いや洗練されたセンスを持つ逸品である。

熊谷隆志の「ネサーンス（NAISSANCE）」では、次シーズンの提案として、オリジナルのアロハ柄を製作。しかも一部で注目されはじめているモノトーンに着目する審美眼が秀逸なのである。ウェアからアクセサリーまで展開されているが、ユニークさと言う点であれば、このトレンチコートが際立っている。一度袖を通すと、クラシックやトラッドと言った傾向と異なるリラックス感のある着こなしが楽しめること請け合いだ。もう一方のパイナップルプリントの生地も捨て難い魅力を持つ。バイオストーンウォッシュを施すことで生まれた風合いは、古着を彷彿させる柔らかな表情があり、それゆえ実に着やすい。

世界中のトレンドをその目で確かめる熊谷の提案は常にリアルであり、なおかつカッティングエッジだ。ネサーンスのコレクションも同様で、そのどれもがどこか懐かしく、それでいて新鮮なのである。

photo: Masaki Sato
text: Tsuneyuki Tokano