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去る6月に新宿の四谷にてリニューアルオープンした話題のアディクトクローズ。そのオリジナルラインであるアディクトクローズ　ニューヴィンテージはありそうでなかった勘所を押さえた秀逸なバランス感覚が光る。

得意のレザーに次ぐ主力商品である昨年から展開をはじめたワックスドコットンのシリーズでは、この季節に活躍するアイテムが揃っている。オリジナルで開発した素材は、ベタつきと臭いが軽減されている点が特徴であり、これは非常に大きな魅力である。ここでは2つのアイテムにフォーカスを当てる。

左に並ぶダウンベストはライダースとの重ね着などにも最適な一着。素材へのこだわりがそのまま、製品のクオリティあるいは風合いに表われており、自社のワックスドコットンに加えて、襟リブのイギリスノースヨークシャー地方のマッサムウール、イギリス産のチェリバリーダックダウンなどがそれに該当する。

もう一方のコートは冬場のライディングにも耐え得る高い防風防寒機能が持ち味。前身頃には通常より一枚多い別の持ち出しが付き、身頃や袖に綿入りキルト裏地を使用している。なおデザインのベースとなっているのは、1920〜1930年代のモーターサイクルウェアとして着用されていたコートである。

ファッションと実用を程よいバランスで兼ね備えたウェアは、着込むことで自分だけのヴィンテージとなり得るポテンシャルを秘めている。

text:Tsuneyuki Tokano
photo:Masaki Sato