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照井利幸『FLOAT』

照井利幸『FLOAT』

アコースティック・サウンドの
次なる可能性を秘めた完全ソロ・ワークス

10 3/04 UPDATE

ミュージシャン照井利幸のこだわりが凝縮された最新ソロアルバム『FLOAT』が完成した。今作は照井氏自らが主催するクリエイティブ集団&レーベル"WELD"からのリリースとなり、ユニットバンドのSIGNALSで培ったアコースティック・サウンドの次なる可能性を追求した仕上りになっている。

なお、このアルバムは2009年6月から8月にかけて制作されたもので、発売中のSIGNALSのセカンドアルバム『光と影と人工衛星』とほぼ同時進行だという。いかに最近の照井氏の創作意欲が強いかを伺い知ることができるのではないだろうか。

新アルバム『FLOAT』の最大のポイントは、自身初めてのソロ制作ということで、すべての楽曲演奏を一人だけで行なっていること。アコースティックギターなどのレコーディングはすべてアナログ・システムで録音。さらに新しい試みとしてフィールド・レコーディングも採用。街や公園で聴こえる鳥のさえずりや、海に出かけて波の音などを録音。それらを楽曲の背景にコラージュするという実験的な作業も見逃せない。

そして、カバージャケットは、「はっぱLeaves」という作品を使用。これは大阪にある法人福祉施設「アトリエ・インカーブ」で活動しているアーティスト吉宗和弘氏が描いたもので、照井氏が出会った時に強く刺激を受け、魅せられたというもの。ジャケットのデザインワークは西山徹が担当している。

どこまでもピュアで真摯なアプローチが心に響く現代音楽のマスターピースといっても過言ではないだろう。

Text:Atsuo Watanabe

照井利幸『FLOAT』
¥2,100[税込]
発売中
レーベル:WELD MUSIC CHAMBER

http://weld-chamber.com/