11 12/06 UPDATE
1960年代後半、ファンクやソウルミュージックからの影響の下に生まれ、ドナ・サマーやビー・ジーズらの台頭によって、一気にメインストリームとなったディスコ・ミュージック。その独特のポップネスとグルーヴは、後にハウスやテクノポップといった音楽に派生し、ポップミュージック・シーンにも多大な影響を与えている。
近年、ドイツを中心とするアンダーグランドなダンスミュージック・シーンでは、オリジナル・ディスコ・ミュージック、リエディット文化への再評価が高まり、ディスコを現代的に解釈したミニマル・ディスコ、ニュー・ディスコと呼ばれる音楽が、じわじわと盛り上がりを見せ始めている。そして現在、そのムーブメントの中心となっているのが、独・ミュンヘンのレーベル"Permanent Vacation"だ。
7月にリリースされたニュー・アルバムが話題となったAzari & IIIや、今年のフジロックにも出演したTensnake、リエディット・キングTodd Terje、ベテランJames Curdなど、シーン最先端の人気アーティストが多数所属する本レーベル。これまでにリリースしてきた作品をコンパイルした今作「Permanent Vacation Selected Label Works 3」は、ニュー・ディスコという新しい音楽、そして現在のシーンを知る上での、まさに教科書的な一枚となるだろう。
またPermanent Vacation以外にも、ヨーロッパのインディペンデントなダンスミュージック・レーベルはこぞってこの系統の音をリリースしており、ベース・ミュージック・シーンとはまた別の所で大きなムーブメントとなりつつある。ダンスミュージック・マナーに乗っ取った、ミニマルなリズムと展開ながら、メロディアスなヴォーカルやポップなコード感が特徴のこの音楽は、エレクトロ・ムーブメントの終焉以降、深まってしまったインディ・ロックとクラブ・ミュージックの溝を埋める、勢いとポテンシャルを秘めている。
text:honeyee.com
V.A 「Permanent Vacation Selected Label Works 3」
2,310円[税込] ※2枚組
Permanent Vacation / Octave-Lab
発売中