11 12/27 UPDATE
2011年の音楽シーンで盛り上がりを見せたウィッチ・ハウス。そのウィッチ・ハウスのシーンを牽引するのが、Balam AcabやHoly Otherなど、同シーンの人気アーティストを擁する、ブルックリンのTRIANGLEレーベル。そのTRIANGLEから、昨年にウィッチ・ハウスのシーンでカルト的な人気を誇る、ロスのDisaro RecordsからデビューEPをリリースし、その後イギリス・ブライトンのHungry For Powerから切ったシングル"Akko"がコアな音楽ファンの間で話題となっていた、Amitai HellerとLoric Sihの2名からなる、サンフランシスコのプロデューサー・チーム、Water Bordersの1stアルバムが登場した。
過度にヘヴィなビートとループするガムランの音が妖しげな世界を作り出すM-1"Tread On Time"。土臭いドラムンベース風のビートにダークなベースとシンセが重なるM-5"Even In The Dark"。ガムラン・ミュージック、アフロビート、インダストリアルを合体させたようなM-9"Antechamber"。いずれの楽曲も、ある特定のジャンルのフォーマットだけに捕われず、どんな遍歴を辿ればこんな音楽を作れるのか? と正直不思議になる、ハイブリッドなサウンド。
アルバム全体が、ダークで、神秘的で、エキセントリックな雰囲気に満ち満ちているので、キャッチーな音楽が好きなリスナーは受け付けないかもしれないが、新しもの好きの人にとっては一聴の価値あり。カッティング・エッジなアーティストが次々飛び出すTRIANGLEレーベル、恐るべし。
text:Kohei Onuki
Water Borders 『Harbored Mantras』
レーベル: TRIANGLE
3,199円[税込]
bonjour records他にて発売中。