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20年近い歴史を持ち、ジャイルス・ピーターソンにして「ヨーロッパで最も先進的で信頼の置けるレーベル」とまで言わしめる、ドイツの老舗クラブジャズレーベルCompost Records。JazzanovaやTruby Trioなど、現在のレジェンド級のアーティストを多く輩出する他、日本からもKyoto Jazz MassiveやSoil & "Pimp" Sessionsらの作品をリリースするなど、常にオープンマインドな活動を続ける、名実共に名門中の名門レーベルだ。
そして現在、Compost Recordsがその独自の卓越した審美眼でコンパイルしたコンピレーションシリーズ「Compost Selection」が、レーベルの意向からほぼノン・プロモーションながら、大きな注目を集めている。これまでCompostがリリースしてきた作品の中から、シリーズによって「JAZZ」、「HIP HOP」、「HOUSE」、「DISCO」、「DOWNBEAT」などにジャンル分けした、レーベル・ベスト的な本シリーズ。シリーズごと、楽曲ごとに一貫して高いクオリティが徹底されており、その洗練されたサウンドは月並みのレーベルでは到底表現できないものだろう。
今作「Compost Remixes Selection Vol.1」は、これまでにCompostがリリースしてきた作品を、ヨーロッパのトップクリエーター達がダンス仕様に再構築した楽曲をコンパイルしたもの。4つ打ちのビートを基調にしながらも、Compostらしくクラブジャズの香りを漂わせる、音楽性に溢れたアルバムだ。
中でも特にオススメなのはベルリンのディープハウスユニット、Chopstick & Jonjonがリミックスした、Siri Svegler「Silent Viewer(Chopstick & Jonjon remix)」や、今や飛ぶ鳥を落とす勢いでファンを増殖させている鬼才、Henrik Schwarzが手がけたMarsmobil「Gonna Be My Day(Henrik Schwarz remix)」。どちらも太いベースラインと、ジャジーなコード感に美しいヴォーカルが冴え渡る秀逸な作品だ。
長い歴史と伝統を持つ老舗でありながらも、常に先鋭的でチャレンジングな姿勢を崩さない、世界でも希有なレーベルから、今後も目が離せない。
text: honeyee.com
「Compost Remixes Selection Vol.1」
Compost Records
1,200円(各150円)
発売中