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THINK PIECE

Chilly Gonzales

もはや僕自身も"レイシストのカプチーノ"なのさ──
奇才チリー・ゴンザレス、怪作『IVORY TOWER』を語る

10 10/13 UP

photo&text: Shoichi Kajino

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あなたはヨーロッパの一部である認識が生まれてきたという話をしていましたが、実際に住んでいるフランスの一部としての認識はありますか?
「もちろん、それはあるよ。パーソナルな面ではね。ただしプロフェッショナルな面では僕はまったく異なったアティチュードを持っていて──まったく『フレンチ』ではない。もし僕が日本に来ていたらノーマルな人間だっただろうね。日本人はみんないつも働いているからね。僕はみんなと一緒はイヤな人間だから、少なくとも(レイジーで働かない)フランスに住んでいてよかったと思っているよ」

──
あなたの作るメロディにはどこかセンチメンタルだったりロマンティクなフィーリングもあってそこはヨーロッパ的だったりフレンチな印象もありますが。
「僕は音楽的には過去のものが好きなんだ。ただどのように自分を表現するかのスタイルという意味ではモダンでいたいと思っている。技術的、音楽的には僕はとてもコンサヴァティヴで、古い価値観が好きなんだ。だから君は僕の音楽にメランコリック、センチメンタル、ノスタルジックというような雰囲気を感じたのかもしれない。それは時にはフレンチだけど、主にはロシアやユダヤ、東ヨーロッパ的なもので、僕の中のユダヤの血のヘリテージがあって、それがその悲しさに繋がっているんだろう。さらにカナダの音楽のスタイルやユーモアのセンスがミックスされている。カナディアンはもともとユーモラスなんだよ。ハリウッドで活躍しているジム・キャリー、マイク・マイヤーズ、彼らはみんなシークレット・カナディアンさ。そして音楽を作り終わってインタヴューやコンサートや撮影で表へ出る時には、僕は古いスタイルから抜け出して常にモダンでいたいと思っている。今のミュージシャンはみんな同じさ。お金のことは話さないし、野心的なことは言わないようにしているだろう。僕は違う、お金の話もサクセスへの野望へも話すんだ。ヘイ、もっとお金の話が聞きたいのかい?(笑)」

 

Chilly Gonzales 『Ivory Tower』

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(Gentle Threat / Beat Records)
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Chilly Gonzales "PIANO TALK SHOW" special guest MOCKY on drums

大好評に応えるように早くも再来日が決定!
更に今度はドラムに朋友MOCKYを迎えて!

11/6 (sat)
原宿 QUEST HALL
open 18:00 / start 19:00
adv 5,800yen / door 6,300yen
info : contrarede 03-5773-5061
http://www.contrarede.com/special/gonzales_mocky.html