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THINK PIECE

MARK RONSON

敏腕プロデューサー、マーク・ロンソンが
7、80年代のシンセ・サウンドを大胆にフィーチャーした最新アルバムをリリース

10 10/4 UP

photo: Shoichi Kajino text: Kohei Onuki

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“Circuit Breaker”の曲自体はYMOのシンセ・サウンドを意識して作られたんですよね。
「そうだね。80年代頃のシンセのサウンドって、僕の幼少期の思い出を想起させるというか、聴いていて心地良いんだよね。誰にでも子供の頃に好きだったサウンドで心が温まるってことがあるでしょ。聴いているとどこか心地良くなれる音楽を作りたいんだよ」

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先程“Circuit Breaker”の話で「ストーリー」という言葉が出てきましたけど、マークさんの曲はどれもストーリー性が強いというか、ひとつの曲の中に色々な展開がありますよね。
「僕は以前、ボブ・ディランの曲のリミックスをしたんだけど、
例えば彼の“It’s alright Ma(I’m Only Bleeding)”という曲があるよね。音自体はすごく単調でシンプルだけど、歌を聴いていると泣きたくなるくらい美しい曲。けれど、もし自分があの曲をプロデュースしていたら、ストリングスを入れたりして、曲をあれこれいじりたくなっちゃう。クリエイションの行程を言葉で説明するのは難しいんだけど、最初にベースとなるトラックを作ってみて、他の人に歌、メロディーをのせてもらうと、またトラックをいじりたくなって、色々と手を加えたくなっちゃうんだ。そうしているうちに曲に起承転結が出てきて、ストーリー性が強く出てくるんだろうね。“Circuit Breaker”は特にそのストーリー性が顕著に現れているんじゃないかな。僕がプロデュースした曲を映画の劇中曲にしたい、というオファーがくるのは、曲の物語性が強いからなのかもしれないね」
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そのストーリー性が今回のアルバムを飽きずに聴ける作品にしていると思いました。今回のアルバム、売れると思います。
「うん、だといいんだけどね。みんなに聴いてもらわないと、今住んでいる家を出て行かなきゃいけなくなるから(笑)」

 

マーク・ロンソン&ザ・ビジネス・インターナショナル
『レコード・コレクション』

レーベル: ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
2,310円[税込]
9月29日(水)発売