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THINK PIECE

BOYS NOIZE “Out of the Black”

BOYS NOIZEが最新作で見出した新たなスタイル。

12 9/21 UP

photo: Kentaro Matsumoto text: yk

 

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現在はエレクトロニック・ダンス・ミュージック(EDM)と呼ばれるシーンが肥大化していて、メディアの中ではBOYS NOIZEもその一角として語られることが多いですが、その点についてはどのように捉えていますか?
「EDMという言葉自体アメリカで使われている単語で、僕が住んでいるヨーロッパでは誰も使っていなかったから、初めて聴いた時は何のことかもわからなかったんだ。今でも違和感を感じる単語だけど、確かに僕が作っているのはエレクトロニックなダンスミュージックだから、そこに分類されても仕方がないとは思うよ。ただAphex TwinとTiestoが同じ言葉で語られるのはやっぱり変だよね」
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EDMムーブメントの一方で、よりアンダーグラウンドなシーンでは良質なディープハウスやアメリカのそれとは異なるダブステップが盛り上がっていますね。
「僕のDJとしてのキャリアのスタートはディープハウスからだったから、今でもチェックしているんだ。レコードショップで働いていた時も、アンダーグラウンドなハウスやテクノのレコードをたくさん仕入れていて、MoodymannやTheo Parrish、Maters At Workが大好きだったよ。最近はオーディエンスから求められているものが違うから、自分のDJでプレイすることはほとんどないけど、Henrik Schwarzの作品は素晴らしいと思うし、他にもたくさんの優れたプロデューサーがいることも知っているよ。実際僕が住んでいるベルリンのクラブシーンではディープハウスが全盛で、どこに出かけてもその勢いを感じることができるからね。RamadanmanやUntoldといったポストダブステップと言われていたアーティスト達も最近はディープハウスやテクノに接近した曲作りをしているみたいだし。僕は今でも毎週レコードショップに通っていて、新しい音楽やシーンに常にオープンなんだ」
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アルバムリリース後はDJ以外にもライブセットに挑戦されるとのことですが、これはどのようなセットになるのでしょうか?
「今までもDJ中にエディットやリミックスを即興的に行って、できるだけライブ的な要素を取り入れるようにしてきたんだけど、これからは自分の曲だけを披露するショーを増やしていきたいと思っているんだ。というのも、ここのところ今のDJシーンに疑問を持つようになって、少し距離を置きたいと考えていたんだ。最近のDJはオーディエンスに気を使い過ぎてしまって、盛り上げるためだけに曲をプレイしているように感じる。僕も長年DJを続けてきたから気持ちは分かるんだけど、このアルバムのリリースを機会に、より自分に合ったスタイルを追求していきたいと思っているんだ」

 

BOYS NOIZE「Out of the Black」

BEAT RECORDS / BOYSNOIZE RECORDS
1,980円[税込] (国内限定盤スペシャルプライス)
2,200円[税込] (通常版)
2012年10月3日(水)発売