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十和田奥入瀬芸術祭2013

十和田奥入瀬芸術祭2013

東北の深い森と透明な湖へ出かける芸術祭。

13 9/20 UPDATE

瀬戸内、愛知と日本各地で開かれている芸術祭に青森が仲間入り。奥入瀬・十和田湖と、十和田市現代美術館を中心とした市街地を会場に、自然の中と街角の両方でアートを楽しめる祭りだ。

五感で味わう作品が多いけれど、今回は音のアートが特徴的だ。宮永愛子の器のような作品からはときどき、かすかな音がする。釉と素地の収縮率の違いから釉薬にひびが入る「貫入」という現象で起きる音だ。この音はずっと鳴っているわけではなく、宮永によれば「流れ星のように」運がよければ聞こえてくるもの。耳をすますことで眠っていた感覚が目覚める。サウンド・アーティスト、mamoruは遊覧船が十和田湖を巡る間に聞こえてくる「湖とその遊覧船のためのコンポジション」という作品をつくった。目の前に広がる風景や周囲から聞こえてくる音に彼のサウンド・アートが重なる。十和田湖は約30000年〜25000年前に噴火を繰り返してできたカルデラ湖。遊覧船から響く音が透明度の高い湖に染み渡る。

10月12日〜14日には奈良美智ディレクションによるミニ・フェス「青い森の ちいさな 音楽会」が開催される。ステージは奈良がデザイン、大友良英や奈良イチ押しのミュージシャン、YOK.らがこぢんまりとしたライブを繰り広げる。思い切り踊って発散、というタイプのフェスティバルではなく、子守歌のように包み込んでくれて生まれ変われる、そんなタイプの音楽会だ。

会場は十和田市現代美術館のほか、廃業したもと宿泊施設の建物や、岡本太郎の遺作がある星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル。森と湖に眠る太古の時間と現代アートで心地よい時間が過ごせる。

text: Naoko Aono

『十和田奥入瀬芸術祭2013』
9月21日〜11月24日
十和田市現代美術館、十和田湖遊覧船(休屋・子ノ口)ほか
tel: 0176-20-1127(十和田奥入瀬芸術祭2013事務局)
開場時間:会場により異なる
パスポート 2000円
遊覧船の時刻、ライブなど、詳細は下記を。
http://artstowadaoirase.jp/

1志村信裕「pierce」2008 photo by Ken Kato
2宮永愛子「そらみみみそら」2005 写真:畠山崇 MIYANAGA Aiko Courtesy Mizuma Art Gallery
3コンタクトゴンゾ
performance photo Museum of Modern Art / NY
photo by Choi Kafai
Performing Histories: Live Artwork Examining the Past, The Museum of Modern Art, New York