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「12 Rooms 12 Artists UBSアート・コレクションより」展

「12 Rooms 12 Artists UBSアート・コレクションより」展

フロイド、ルーシェイ作品が大量来日。

16 6/20 UPDATE

2012年、戦災で焼け落ちたドームなどが復元された辰野金吾設計の東京駅。その際、移転した東京ステーションギャラリーの階段や一部の展示室では建設当時のレンガの壁が見える。「12 Rooms 12 Artists UBSアート・コレクションより」展はそのギャラリーを12の部屋に見立て、それぞれ12人のアーティストの作品を展示するもの。グローバル金融グループ、UBSのコレクションから選りすぐった作品だ。

12作家の中でもルシアン・フロイドには注目だ。精神分析学者ジークムント・フロイトの孫であり、人間の苦悩をさらけ出し、厚い絵の具の層にたたきつけるような人物像で知られている。2011年に88歳で没したが、生前には存命作家として最高落札額の記録保持者でもあった。この展覧会では、世界的な名声を得ていながら日本ではまだ本格的な回顧展が開かれていない彼の油彩・版画あわせて27点を一挙に公開する。

エド・ルーシェイも欧米で高く評価されていながら、日本では作品を見る機会の少ない作家だ。テキストや広告グラフィックのイメージを借用したコンセプチュアル・アートを中心に制作し、80年代以降、ホイットニー美術館やポンピドゥー・センターで回顧展が開催されている。約30点弱の彼の作品がずらりと並ぶこの展覧会はその意味でも貴重なものだ。

展覧会にはその他にアンソニー・カロ、荒木経惟、陳界仁(チェン・ジエレン)など多彩な顔ぶれが並ぶ。UBSでは1960年代以降のめまぐるしく変化する現代美術を中心に30000点以上ものアートをコレクションしている。「アート・バーゼル」のサポートやソロモン・R・グッゲンハイム財団との共同プロジェクト「グッゲンハイムUBS MAPグローバル・アート・イニシアチブ」などの活動も盛んだ。グローバル企業ならではの幅の広いコレクションを楽しめる。

text: Naoko Aono

「12 Rooms 12 Artists UBSアート・コレクションより」展
会期:7月2日〜9月4日
会場:東京ステーションギャラリー
JR東京駅 丸の内北口 改札前(東京駅丸の内駅舎内)
tel. 03- 3212-2485
10:00〜18:00(金〜20:00)
月曜休(7月18日は開館)
一般1000円
www.ejrcf.or.jp/gallery

1ルシアン・フロイド《裸の少女の頭部》 1999年 油彩、カンヴァス
©Lucian Freud Archive/Bridgeman Images UBS Art Collection
2エド・ルーシェイ《スタンダードのスタンド》1966年    
©Ed Ruscha. Courtesy Gagosian Gallery  
UBS Art Collection 
3陳界仁 チェン・ジエレン《ファクトリー》2003年、ヴィデオ
©Chen Chieh-Jen. Courtesy of the artist and Chi-Wen Gallery
UBS Art Collection