16 9/08 UPDATE
東京・原宿のアートスペースAMで行われた荒木経惟による展覧会「淫夏」と「淫冬」に続き、第3弾となる「淫秋」が2016年9月9日(金)より同会場で開催される。
これまでも永井荷風や、種田山頭火、北斎などの先人による作品をはじめ、「往生要集」「万葉集」「梁塵秘抄」といった古典に感応し、自らの心境を重ね合わせた数多くの作品を生み出してきた荒木。今回は、大乗仏教の根本として世に知れ渡る経典「般若心経」をテーマに、和紙にプリントされた写真へ経典「般若心経」を書き写した作品を新たに発表。「般若」は智慧、「波羅蜜多」は悟りを開くことを意味し、この世に存在するすべてが「無」であり、真理は「空」にあると説く経典を用いた作品は、亡き妻・陽子を想いながら空と花を撮り続けた荒木の心情を想起させる。
また、インスタントフィルム作品2点をカットし、ダイレクトにつなげ合わせたコラージュ最新作も同時に発表。作家の緻密な手作業により生み出された貴重な作品は、創作への強い想いが伝わる仕上がりとなっている。
text: Shiho Obayashi
©Nobuyoshi Araki
荒木経惟「淫秋-般若心經惟-」NOBUYOSHI ARAKI IMSHU
会期: 2016年9月9日(金)〜11月11日(金)13:00-19:00
会場: アートスペースAM
東京都渋谷区神宮前6-33-14 #301,302
tel: 03-5778-3913
※月曜、火曜休