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ハニカムのブログで綴られるグルメ情報が高い人気を誇るLOWERCASE梶原由景が初の著書を上梓。自身が足繁く通う店のなかから70店を厳選して紹介する『TRANSIT TOKYO vol.1 ごはん』が3月5日(金)に発売される。
「梶原さん、こんなにとっておきのお店を正直に紹介しちゃって大丈夫ですか?」。これが本書を一読したうえでの偽らざる感想。世の中にグルメ本やグルメ雑誌は数あれど、本書ほどリコメンドの主体が明確で、なおかつ圧倒的なリアリティをもって綴られたものは、さほど多くないのではないか。帯には「常連になりたい東京のごはんやさん70」とあるけれど、すでに「常連」である梶原さん自身がそこに行きづらくなってしまうのではと心配になってしまう。
本書で紹介されているお店は、エリア的には東京の城西・城南地区に集中しているが、料理のカテゴリーは多岐に渡る。「居酒屋・和食」「焼き肉・鳥料理」「カレー・エスニック」「洋食」「お好み焼き・バー」「ランチ」「パン・スイーツ」......これらすべてひっくるめて「東京のごはん」。サラリーマンで賑わう焼き鳥屋も、世田谷の住宅街にひっそりとたたずむ居酒屋も、洒落たイタリアンも、銀座の雑居ビルの一角にあるこぢんまりとしたバーも、リーズナブルにお腹を満たせる大学の学食も、すべて同じ目線で語られているところが面白い。各パートのあいだにはさまれたコラムや料理人との対談もまた読み応えあり。
なお、ハニカムでは本書の発売に絡めたスペシャルコンテンツを企画中。こちらもお楽しみに。
Text:Issey Enomoto
『TRANSIT TOKYO vol.01 ごはん』
梶原由景・著
講談社
1,400円[税込]