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TOKYO CULTUART by BEAMSから昨年10月に創刊された新感覚文芸カルチャー誌「In The City(インザシティ)」。その第二集が、ボリュームも大幅にアップして発行された。
原宿でスリーピースのスーツを着込んだ"佇まい"が目に飛びこむ巻頭特集、筒井康隆スペシャル・インタビュー「我が原宿、NOW&THEN」は、60年代から原宿の街に住む文豪の目を通した、原宿小史とも言える貴重なインタビューとなっている。
「ペーパーカップ一杯の禅」をテーマとし、片岡義男、中原昌也に加え、原田マハ、黒田晶、さらにはハニカムの書評でもおなじみの川﨑大助、という多彩な顔ぶれによって書き下ろされた五編の短編小説。大原ケイによる米文学の拠点、ブルックリンの魅力と最新の文芸潮流の現地レポート、青野賢一らによるエッセイ、などなど、小気味の良い作品が、創刊号を上回るボリュームで並ぶ。
洋書ペーパーバックサイズに、「ニューヨーカー」の表紙も手がけるコミック作家、エイドリアン・トミネによる表紙デザイン、イラストや写真のリズム。「書を街に連れ出そう」という創刊コンセプトがエディトリアル全体に行き届いた、まさに新感覚な、都市の文芸誌といえるだろう。
text:honeyee.com
In The City
Vol.2 Spring Issue 'Zen in a Paper Cup'
発行: 株式会社ビームス
1,050円[税込]