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長年コンビで映画製作を続けている、アリソン・アンダースとカート・ヴォスが13年ぶりタッグを組んだ最新作『ストラッター』は、ロック青年の失望と葛藤を繰り返す憂鬱な日々をスタイリッシュな映像で描いたロックン・ロードムービー。本作は、彼らの共作である『ボーダー・レディオ』（87）、『Sugar Town』（99）に続く、"南カリフォルニア3部作"の最終章としても注目を集める。

最愛の恋人ジャスティーンからフラれ失意のどん底にたたきつけられた、L.A.に住むロッカー、ブレッド。さらにジャスティーンは彼がリスペクトするミュージシャン、デイモンと付き合い始めたという噂とバンドのメンバーの脱退宣言が、彼に追い打ちをかける。ブレッドは「日曜日に一人だなんて、俺は一体何をすればいいんだ！」と自暴自棄になるものの、母親と母親の恋人フランク、アルバイト先の楽器屋の店主アーチーに励まされ、大切なものに気づき始める。恋敵のはずのデイモンとの間にも不思議な友情が芽生え、彼らは"砂漠のツアー"へ旅立つというストーリー。

またこの作品は、アメリカ・インディーズの盟友であるクエンティン・タランティーノ、モンテ・へルマン、ガス・ヴァン・サント、イーサン・コーエンから様々なサポートを受け、少人数のスタッフと25,000ドルという低予算で制作された。L.A.の伝説的サイコビリー・バンド、ガン・クラブのドラマー、テリー・グラムやカルト・ロッカー、アリエル・パーソンズの奏でるカントリー、ダイナソーJr.のJ・マスシスのスコアなどアメリカ西海岸のロックシーンの過去と現在が体感できる本作を是非その目で。

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text: Aika Kawada