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ダーク・プレイス

ダーク・プレイス

『ゴーン・ガール』の原作者によるベストセラーの映画化。

16 6/24 UPDATE

『ゴーン・ガール』の原作者である、ギリアン・フリンのベストセラー『冥闇』の映画化。主演のシャーリーズ・セロンは製作にも名を連ねる意気込みだ。

1985年。カンザス州の農家で、母親と2人の姉妹が殺害された。生き残って、事件を目撃したのは8歳の末妹のリビー・デイ。彼女が「兄のベンが犯人だ」と証言したため、ベンは逮捕される。28年後。仕事もせず、その日暮らしな生活をしていたリビー(シャーリーズ・セロン)は、一家惨殺事件にまつわる自叙伝の印税で暮らしていたが、その本ももはや忘れ去られて、いよいよ生活に困窮する。そのころ、過去の殺人事件を自分たちで再検証する「殺人クラブ」のライル(ニコラス・ホルト)から、リビーは招待される。恐る恐るだが、リビーは報酬に引かれて彼らの集会に顔を出した。そして事件のことを振り返り始め、刑務所に収監されたままの兄とも面会したリビーは、徐々に記憶の封印が解き放たれていく。

この映画のシャーリーズは、ホワイトトラッシュ感を出していて、ジーンズに野球帽といういで立ちで颯爽としているため、色気とは隔絶している。もちろん美しいのだが、それを荒んだベールで自然と隠しているようだ。生活苦になるリビーは、単にだらしがない生活を送っている人でもあるし、その奥には人生のロールモデルとなる人物がいないことや、残ったのが最底辺で暮らす親族のみという、致し方なさもある。物語は女性的な魅力を排したところで展開するので、めんどくさい恋愛沙汰はない。

そしてシャーリーズ・セロンとニコラス・ホルトといえば、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のメインキャラ二人だ。既視感のある、シャーリーズが車の窓を開けたドアに肘をかけて片手運転し、横に文化系な色白のニコラスがちんまり座っている眺めも楽しい。

事件当時、リビーの兄はティーンエイジャーにありがちなことだが、悪魔崇拝に凝っていた。そしてそのころ、兄の彼女であったディオンドラ(クロエ・グレース・モレッツ)に関しては、罪を問われた兄は口をつぐんだままだった。本作におけるクロエ・グレース・モレッツも、随分と大人びてきて感慨深い。

オチはなんといっても、当代きってのミステリ作家原作なので、映画館でぜひ驚愕していただきたい。アメリカの地方における若者の暮らしづらさや、最後にはたとえ真相がわかったところで、彼らの生活は取り戻せるのだろうか、という苦い後味が残る。

text: Yaeko Mana

『ダーク・プレイス』
監督:ジル・パケ=ブレネール
原作:ギリアン・フリン
製作:ステファーヌ・マルシル/シャーリーズ・セロン/A・J・ディックス/
マット・ジャクソン
出演:シャーリーズ・セロン/ニコラス・ホルト/クロエ・グレース・モレッツ/クリスティーナ・ヘンドリックス/コリー・ストール
配給:ファントム・フィルム

2016年6月24日(金)全国ロードショー
http://dark-movie.jp/

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