09 12/02 UPDATE
昨年発表した"Day N Nite"、そして同曲のCrookersリミックスでヒットを飛ばし、一躍ヒップホップ・シーンのスターダムへと伸し上がったKid Cudi。BAPE STORE® ニューヨークのスタッフを経て、Kanye Westのレーベル、GOOD Musicとディールを結び、これからの活躍が期待されていた今年春、(デビューアルバムのリリースを前に)まさかの引退宣言を発表したかと思えば、その後すぐに引退宣言を撤回......と、彼をフックアップしたKanye Westに勝るとも劣らぬお騒がせキャラとして話題を振りまいていたKid Cudi。そんな彼の1st.アルバム『Man on the Moon: The End of Day』の日本盤がリリースされた。
極限まで音数を抜いたビート、スペイシーな上モノ、Kanye Westに似た、歌うようなフロウが絶妙に絡み合う"Day N Nite"や、Crookersによる、ヘビーなベース音を前面に押し出した、エレクトロハウス風の"Day N Nite"のリミックスをはじめ、Lady Gaga "Poker Face"を大胆にサンプリングしたトラック上で、レーベルの大先輩、Kanye West&Commonとのマイクリレーを展開する"Make Her Say"、また、サイケデリックポップバンド、MGMTとエレクトロニックミュージックデュオ、Ratatatをフィーチャーした"Pursuit Of Happiness"など、多彩な楽曲を収めた1st.アルバム。癖のある、様々なタイプのトラックを、漂々と乗りこなすKid Cudiのラップからは、彼の音楽的雑食性を感じることが出来る。しかしながら、様々なタイプの楽曲が収められているものの、アルバム全体としては、『Man on the Moon』というタイトルにあるように、スペイシーな雰囲気で見事に統一されている。
昨今、エレクトロハウスやインディーロックのエッセンスを、無理矢理作品に捻じ込み、ヒットを狙うヒップホップ、R&Bアーティストが目立つが、彼がこの1st.アルバムで見せた音楽的雑食性は、いたってナチュラル。音楽的多様性という、ヒップホップ本来の魅力を再確認出来る一枚である。
Text:honeyee.com
Kid Cudi『Man on the Moon: The End of Day』
1,980円[税込]
レーベル: Universal
発売中