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既にご存知の方も多いかと思うが、ジェイムス・マーフィーは、本作『THIS IS HAPPENING』を最後にLCD SOUNDSYSTEMとしてのオリジナル・アルバムを作らない、と宣言している。00年代初頭にディスコ・パンクの先鞭をつけたLCD、ロックとダンスミュージックがダイナミックに融合したレーベル、DFA。ジェイムスなくして00年代の音楽シーンを語ることは出来ない。

そのジェイムスによる、LCDとしてのラスト・アルバムはロサンゼルス・THE MANSHUとニューヨーク・DFA STUDIOで録音、DFAで11ヶ月間をかけてミックスされた。こりに凝って制作されただけあり、大傑作のセカンド・アルバム『SOUND OF SILVER』から飛躍的にプロダクションの完成度が向上。バンドサウンドとエレクトロサウンドが有機的に結びつくLCD流ディスコ・パンクの集大成的作品に仕上げられている。

ジェイムスの卓越したドラム・パターンとこれまでにはないくらいのハイトーン・ボイスが炸裂する1曲目"DANCE YRSELF CLEAN"に、LCD流ディスコ・パンクのエッセンスを凝縮した、攻撃的なアッパー・チューンの2曲目"DRUNK GIRLS"など、有終の美を飾るに相応しい珠玉のサウンドを収録。日本盤ボーナス・トラックには、ジョイ・ディヴィジョン"NO LOVE LOST"、カール・クレイグ"THROW"のカヴァーも収録されている。

00年代型ディスコ・パンクやダンス・ロックの潮流を起こし、過去10年の音楽シーンに大きな影響を与えてきたLCDのラスト・アルバム。ロックやダンスミュージックの音楽史における重要作となること間違い無しである。

Text:honeyee.com