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ノルウェー・ジャズ界のパイオニア的ピアニストBugge Wesseltoftと、ベルリンのモダン・ハウスレーベルInnervisionsをホームに活躍するプロデューサーHenrik Schwarz。二人の奇才が作り上げた"DUO"は、ジャズ、エレクトロニカ、ダブ、ハウスといった彼らのバックグラウンドが、その卓越したスキルで絶妙にミックスされたアヴァンギャルドなジャズアルバムだ。
Buggeは幼い頃から音楽教育を受け、10代でキーボード奏者としてのキャリアをスタートさせるなど、洗練されたジャズ・ピアニストでありながらそれとは全くの異なるクラブ・シーンとの交流を深め、エレクトロニクスやサンプリングといったクラブ・ミュージックの要素を早くから自らの楽曲に取り入れてきた。一方、Henrikはディープ・ハウスのDJとして長いキャリアを持ち、近年ではエレクトロニックなトラックにソウルやジャズの要素を大々的に取り入れた斬新なスタイルのリミックス/プロデュース・ワークで絶大な支持を得ている。
シーンの異なる二人のアーティストが邂逅、お互いの音楽性に惹かれ合った後に作り上げた今作はオーガニックでモダン、かつて誰も耳にしたことがない次世代のジャズアルバムに仕上がっている。ミニマルながら、かつてスェーデンで活躍したEsbjorn Svensson Trioにも通じるフューチャリズム、Henikが作り出すオーガニックかつ妖艶なビートとエレクトロニック・サウンドにBuggeのインプロ感溢れる流麗なピアノ・ソロが冴え渡る。
ピアノのコード感や乾いたパーカッション、ダブ処理されたシンセサウンドなど奏でられている音のどれもが心地良く、54分間全く醒めることの無いサウンド・トリップへといざなってくれる。
text:honeyee.com