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近年のベース・ミュージック・シーンではHudson MohawkeやJames Blakeはじめ、20歳そこそこの若手アーティストが次々に頭角を現し、それぞれの自由で斬新な音楽性を存分に披露しており、アンダーグラウンド・シーンのみならず、コマーシャルなメジャー・シーンからも大いに注目を集めている。彼らはダンス・フロアを熱狂させるクラブ・ミュージック・プロデューサーとしての側面だけでなく、リスニングにも適したソング・ライターとしての才能も感じさせ、今後音楽シーン全体を巻き込むムーブメントの中核を担う存在となるだろう。
英国シェフィールド出身のDJ/プロデューサー、Toddla Tもまたその一人であり、オルタナティブな才能秘めたアーティストである。DJとしてロンドンの名門クラブFabricのマンスリー・レジデントを務める傍ら、プロデューサーとしてブロークンビーツ、フィジット、ガラージといったリズム・パターンにラガ/ダンスホールテイストのシンセサウンドをミックスさせた音作りで、ダーティでフレッシュな独自のスタイルを確立させている。
UKのヒップホップ・シーンをリードするRoots ManuvaもToddlaの才能に惚れ込み、アルバムのタイトル・トラックにもなっている"Watch Me Dance"でフィーチャリング。ヴォイス・サンプルや乾いたドラム、ファンキーなギター/ベースにストリングスなど、情報量の多いToddlaのトラックにRoots Manuvaのロウなヴォーカルが冴え渡り、アルバムの中でも特にアッパーなパーティ・チューンに仕上がっている。
若干23歳の青年が作り上げたこのアルバム「Watch Me Dance」は、Toddlaの音楽的な懐の深さ、十分なポテンシャルを感じさせると共に、光ある音楽シーンの未来をも期待させてくれる。
text:honeyee.com