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「Let's Make Love and Listen to Death From Above」や「Music Is My Hot Hot Sex」などのヒット曲で知られるサンパウロ出身のガールズ(+立派なヒゲのゲイ男性)・ダンスポップバンド、CSS(Cansei de Ser Sexy)の3作目となる『ラ・リベラシオン』がリリースされた。前作の発表から3年、じっくりと時間をかけて音楽に向き合った彼ら。その結果、CSSらしいカラフルなエレクトロサウンドにロックのダイナミズムを効かせた、弾けるようなポップセンスが遺憾なく発揮されている。
一度聞いたらつい口ずさみたくなるキャッチーなフックのリードシングル「Hits Me Like a Rock」は、ゆるくて軽快なレゲエ風のエレクトロポップに仕上がっている。この曲でゲスト・ヴォーカルを務めるのはプライマル・スクリームのボビー・ギレスピーで、ヴォーカルのラヴフォックスとのデュエットは相性ばっちりだ。ニューヨークを舞台に歌われる「City Grrrl」は、シニカルな歌詞と哀愁ただようスパニッシュギターとトランペットのコンビネーションが印象的。現代のシティガールのテーマソングといっていいだろう。パワフルでパンキッシュなロックナンバーながら、スペイン語の歌詞がキュートに響く「La Liberación」はラテンアメリカのDNAに秘められたパワーを感じさせ、NYのエレクトロデュオのラタタットも参加した「Red Alert」では、CSSと彼らの魅力がうまくミックスされている。
アルバムの最後にはラヴフォックス流のいたずらっぽいジョークも収録。陽気で自由な空気に包まれたこのアルバム、思い切り弾けたい時のためにぜひプレイリストに加えておいてほしい。
text:Misho Matsue
CSS
『ラ・リベラシオン』
レーベル: KSR
1,890円[税込]
発売中