11 9/08 UPDATE
近年、アンダーグラウンドなクラブ・シーンをホームに活動するダンスミュージック・プロデューサーの躍進が目覚ましい。今年で言えばメジャー・レイザーがビヨンセの新曲をプロデュースしたことが最も象徴的であったが、他にもフライング・ロータスやジェームス・ブレイクらが今や音楽シーン全体を巻き込むほどの人気を博していることや、ロックフェスティバルにフォー・テットやサブトラクトといったクラブ系のアーティストがかつてないほど多くフィーチャーされたということも、その裏付けと言えるだろう。
今作「TKOL RMX 1 2 3 4 5 6 7」はレディオヘッドが今年2月にリリースした「ザ・キング・オブ・リムス」に収録されていた楽曲を、新進気鋭のプロデューサーがオリジナリティ溢れる手法で再構築したリミックス・アルバム。前述のフォー・テット、サブトラクトをはじめ、カリブーやネイサン・フェイク、モードセレクター、ジェイミー・エックス・エックスなど、今シーンで最も勢いのあるアーティストがリミキサーとして参加している。
2枚組で全19曲が収録されたボリューム感のある作品だが、様々に調理されたトム・ヨークの歌声と変則的なビート、自由奔放な展開など、どれも一筋縄ではいかない楽曲ばかり。レディオヘッドの世界観を生かしたヒプノティックなシンセサウンドをベースにしながら、どのアーティストもそれぞれのスタイルで確実にダンスミュージックをネクストレベルまで昇華させている。
エレクトロニック/ダンスミュージックに造詣が深いトム・ヨークだが、レディオヘッドとしては初となるリミックスのみで構成された本作。この作品を機に、更なるブレイクを果たすアーティストも多いことだろう。
text:honeyee.com