11 10/27 UPDATE
マルチ・プレイヤー/キーボーディストとして、また、類いまれなライヴ・パフォーマーとして国内外のフェスを席巻したタッカーTUCKER (タッカー)の6年ぶり通算3作目にあたるフル・アルバムが、瀧見憲司が主宰するレーベル「Crue-L Records」よりリリースされる。
本作「TUCKER Plays 19Post Cards」は、洗練されたグルーヴによる「大人のファンクネス」と、要所要所に香るタフで猥雑なアジアテイストがひとつの楽曲の中で有機的に重なり合い、そのポストモダン的スノビズムとアジア的身体性の融合によって時代のリアルをリプレゼントする「同時代のサウンドトラック」となっている。
オルガン/キーボードをはじめ、全ての楽器を1人で演奏、録音、編集したこの作品は、「TUCKER Plays 19Post Cards」というアルバム・タイトルが示すように、彼がここ数年間ライブの為に訪れたさまざまな国々の文化や現地ミュージシャンとの交流から得たインスピレーションが19の楽曲として表現されているわけだが、なかでも韓国、上海などで感じた、日本では失われたアジアの「匂い」を曲作りのエッセンスとして加えることで、現代的なリアルと異国的なノスタルジーを併せ持つタイムレスな音楽的世界を構築。
オルガンやリズムボックスなどの電子楽器に加え、生ドラム、琴など様々なアコースティック楽器を導入しつつ、録音面でもアナログ機器を多用した音響は、ヴィンテージとハイブリッドが同居する極めてユニークなものであると同時に、重層的な音楽的コンテクストを内包することにより普遍性とポピュラリティを備える。TUCKERが捉えた異国の風景は、ソウル、ロック、レア・グルーヴ、ラウンジ、コズミックといったジャンルを横断した「21世紀のジャズ」として1枚のアルバムとなったのである。11月初頭からはアメリカツアーもスタート。
text:tetsuya suzuki
TUCKER『TUCKER Plays 19Post Cards』
Crue-L / KYTHMAK137DA
発売日:2011年10月28日(金)
価格:¥2,520